狐の嫁入り
日本では、晴れているのに雨が降ると「狐の嫁入り」と云います。これには色々な伝説があるようですが、昔は怪奇現象で暗闇に怪しげな火が連なって見えることがあり、結婚式場が普及していなかった時代に夕刻から提灯行列で嫁いで行く花嫁の様子に似ていることから「狐の嫁入り」と呼ばれるようになったという説もあります。
京都東山花灯路
京都東山花灯路では、毎年3月の一時期に北は青蓮院から南は清水寺のあたりの路に灯りが灯され、色々なイベントが催されますがその中の一つに狐の嫁入り巡行があります。日が暮れて路地に行灯が灯されます。それからしばらく待つと、遠くから拍子木の音が聞こえ始め、路の向こうから提灯が見えてきます。
その行列の中に人力車に乗った狐の花嫁の姿があります。
夜の路地行灯の光に浮かぶ怪しげな光景ですが、日本人の心には何故か懐かしい気持ちも蘇ってきます。東山花灯路の人気のイベントです。
この狐の嫁入りの絶好の観覧ポイントがあります。それは高台寺駐車場辺りのねねの道を跨いだ西側にある春光院前です。ここで狐の花嫁を乗せた人力車が、かなりの時間停車します。今年は春光院前に生け花の展示もありライトアップされていて明るく撮影できました。また頼まれてもいないのにガードマンのおじさんがガイドをしていました。その説明によると狐の花嫁は未婚/既婚、更に年齢にも関係なく参加できるそうです。春光院前でしばらく佇んだ後、高台寺南側の斜面を登り高台寺駐車場に入ります。ここで花婿と落ち合って高台寺へと消えて行きました。